この記事は、社会人フットサルで「うちのチーム、もっとパスがつながったらな」「個サルで上手い人のパス回しに混ざりたい」と感じている方に向けた内容です。フットサルのパスワークは特別な才能ではなく、ワンツーと三角形という基本パターンの組み合わせで成立しています。型を覚えれば、誰でも一定水準のパス回しに参加できるようになります。
「パス回し上手い人たち」って一見センスっぽいですが、よく見ると毎回同じ型を使い回してるだけだったりします。型を知るとさるっちょも混ざれるようになりました。
パスワークの前提|まずは個別のパスを安定させる
連続したパス回しに入る前に、1本のパスが安定していることが前提です。土台が崩れた状態でパターンを覚えても、試合中に再現できません。パスの種類や強さの考え方はフットサルのパスの基本、もっとも頻出するインサイドキックの蹴り方はフットサルの基本パス|インサイドキックを確認しておくと、この先の話が頭に入りやすくなります。
パスワークの基本パターン1|ワンツー
ワンツーは2人の間で行う「出して、走って、もらう」のパターンです。フットサルでもっとも出現頻度が高い崩しの形で、サッカー経験者にとってもなじみのある動きです。ただし、コートが狭いフットサルでは、ワンツーの精度がそのまま得点機会に直結します。
ワンツーが成立する3つの条件
- 出し手と受け手の距離が近い(5m前後)
- 出し手が走り込むスペースが空いている
- 受け手がワンタッチで返せる体の向きを作っている
この3つが揃っていれば、ワンツーはほぼ通ります。逆に、受け手が止まって受けたり、出し手が走るスペースを自分でつぶしたりすると、簡単に潰されます。受け手が事前に半身を作っておくことが、見た目以上に大きな差を生みます。
ワンツーの応用|壁役を作る
ピヴォにくさびのパスを当て、ピヴォを「壁」としてワンタッチで戻してもらう形は、フットサルの定番です。サイドのアラがピヴォあてをして、ピヴォは寄ってきた相手フィクソを背負ったままヒールでアラへ落とす。受けたアラは前を向いた状態でシュートまで持ち込めます。ワンツーは2人の上下動だけでなく、ピヴォを軸にしたバリエーションも豊富にあります。
パスワークの基本パターン2|三角形を作る
3人で三角形のポジショニングを取ると、ボールを持つ選手の選択肢が常に2つになり、パスが詰まりません。フットサルのビルドアップは「常にどこかに三角形ができている」状態を作り続けることが目標です。
三角形を作るためのコツは、ボール保持者から見て近すぎず遠すぎず、相手のディフェンスラインの間を縫う位置に立つことです。具体的には次のような立ち方が基本になります。
- 横の選手とは7〜10m離れる(近すぎるとマーカーがまとめて寄せられる)
- 縦の選手はライン間(相手のフィクソとアラの間)に立つ
- ボール保持者は2方向にパスが出せる体の向きを作る
三角形が連続的に出来上がっている状態は、見た目にはパスが「華麗」に回っているように見えます。しかし実態は、各選手が地味に立ち位置を取り直し続けているだけです。派手さの正体は、地道な配置の連続です。
パスワークの基本パターン3|ローテーション
パスを出した選手が、別のポジションへ移動することで全体が回転するのがローテーションです。相手のマンツーマンを混乱させる効果があり、フットサル特有の崩しの基礎になります。
もっとも基本的なローテーションは「パスを出した方向へ自分も動く」です。フィクソが右アラへパスを出したら、フィクソは右アラの裏のスペースへ走る。右アラはそのままフィクソが空けた中央へドリブルで入ってくる、または逆アラが中央へ入ってくる。シンプルですが、これだけで相手のマークが入れ替わります。パラレラはこのローテーションを縦方向に振り切った形と捉えると理解しやすいです。
パスワークを成立させる「受け手」の動き
パスワークは出し手の技術だけでは成立しません。受け手の動きが7割を決めると考えていいくらい、受け手の事前準備が重要です。
- 常に半歩動いて受ける:止まって受けると相手に詰められる
- 半身を作る:パスを受ける前に、次のプレー方向に体を開いておく
- 声と目線:出す前に「ここに出して」を発信する
- パスを呼ばない判断:マークが厳しいときは、あえてパスコースから外れて別の選手のスペースを作る
私(さるっちょ)がフットサルを始めた頃、「パスをくれ」と要求するばかりで、もらえる体勢を作っていませんでした。あるとき先輩に「半身を作っていないやつにパスは出さない」とはっきり言われ、受ける前の体の向きを意識するようになってから、急にボールに触れる回数が増えた経験があります。受ける準備は、思っているよりも結果に直結します。
練習メニュー|ロンドと三角パス
パスワークはチーム練習で取り組むのが効率的ですが、3人いれば家庭の駐車場くらいのスペースでも形になります。
ロンド(鳥かご)
4対1や5対2の鳥かごです。狭い範囲でワンタッチを意識し、半身で受ける・パスを出したら動く、を繰り返します。フットサルの試合中に起こる「狭い範囲でのパス回し」の縮図です。短時間でもパスワークの土台が整います。
三角パス
3人で三角形を作り、ワンタッチでパスを回しながら、パスを出した方向へ自分も走って次の角へ入る練習です。常に三角形が維持される動きを体で覚えられます。慣れたら逆回り、ボール2個、と難易度を上げます。
「半身を作っていないやつにパスは出さない」は本当によく言われます。受ける準備をサボった日のさるっちょは、ほぼボールに触れないまま試合が終わったりします。
まとめ|パスワークは型の組み合わせ
フットサルのパスワークは、ワンツー・三角形・ローテーションという基本パターンの組み合わせで成立しています。難しい技術や瞬時のひらめきよりも、基本パターンを正しく回せる選手のほうがチームの中で信頼されます。
- ワンツーは距離・スペース・受け手の体の向きが揃えば通る
- 三角形を常にどこかに作り続ける意識で立ち位置を取り直す
- ローテーションで相手のマークを混乱させ、ポジションを入れ替える
パスの基本はフットサルのパスの基本、もっとも頻出のインサイドキックは基本パス|インサイドキックで扱っています。パスワークを軸に縦突破を狙う戦術として、パラレラもあわせて確認すると、引き出しが一気に広がります。






