この記事は、サッカー経験者として社会人フットサルやチーム練習に参加し、「個人戦術」と言われても何を指すのかピンと来ないという方に向けたハブ記事です。フットサルで言う個人戦術は、ドリブルやフェイントといった足元の技術だけではありません。むしろ中心は「ボールを持っていない時にどう動くか」。この記事で全体像を整理してから、興味のある動きの詳細ページへ進めるように構成しています。
「個人戦術」って言葉だけ聞くとドリブル特訓みたいに見えますが、実態はボールがない時の動きが9割です。さるっちょもここに気づくまで時間かかりました。
フットサルの個人戦術とは|オフ・ザ・ボールの動きの体系
個人戦術とは、チーム全体の約束事(チーム戦術)とは別に、選手一人ひとりが状況に応じて選ぶ動き方の引き出しを指します。フットサルではコートが狭く、人数も少ないぶん、一人の動きがそのままチーム全体の崩しにつながります。サッカー以上に、ボールを持っていない時間の動き方が勝敗を左右します。
代表的な個人戦術は、スペイン語・ポルトガル語の用語で名前が付いています。パラレラ・ケブラ・コルティーナ・フィンタ・アラコルタ・ジャグナウなど。試合中にこれらの名前で味方から声がかかるため、まずは「どんな動きを意味する言葉なのか」を頭に入れておくと、フットサル特有のコミュニケーションについていけるようになります。
個人戦術の3つのカテゴリ
個人戦術はざっくり3つのカテゴリに分けると整理しやすくなります。カテゴリごとに目的が違うので、試合中に「今はどのカテゴリの動きを選ぶべきか」を判断する助けになります。
1. スペースを作る動き
自分が動くことで、味方や自分自身のためにスペースを生み出す動きです。代表例はケブラ(折れる動き)とコルティーナ(壁の動き)。マーカーを引き連れて移動したり、止まって味方の進路を確保したりすることで、ボール周辺のスペースをコントロールします。
2. スペースを使う動き
生まれたスペースへ走り込む動きです。パラレラ(サイドライン沿いの裏抜け)、ジャグナウ(対角への斜めの抜け)が代表例。スペースを作る動きと連動して初めて意味を持ちます。サッカー経験者は「自分が走る動き」だけ覚えがちですが、誰のためのスペースかをセットで理解すると精度が上がります。
3. 局面を変える動き
1対1や狭い局面で、相手の重心を外して状況を変える動きです。フィンタ(フェイント)やアラコルタ(サイドでの短いコンビネーション)が該当します。ボールを持っている、または持つ直前の選手が選ぶ引き出しになります。
覚えておきたい6つの個人戦術
ここからは、フットサルの試合中に実際に飛び交う代表的な6つの個人戦術を、用途・キーワードとあわせて紹介します。詳細は各ページに譲り、ここでは「いつ・どんな目的で使う動きか」だけ押さえてもらえれば十分です。
ケブラ|折れて方向を変える動き
ケブラ(quebra)はポルトガル語で「折れる」の意味。直線的に走った後、急に方向を変えて別のコースへ抜ける動きです。マーカーが付いてきた背中に潜り込むように使うと、ディフェンスを置き去りにできます。スペースを作る・使うの両面で機能する、最も使用頻度の高い動きの一つです。詳細はケブラの解説ページを参照してください。
コルティーナ|止まって壁になる動き
コルティーナ(cortina)はスペイン語で「カーテン」の意味。あえて止まり、自分の体で壁を作ることで、味方のドリブルコースを開けたり、マーカーの進路を遮ったりします。サッカーで言うスクリーンに近い動きで、止まることが攻撃に直結するというフットサル特有の発想が体感できます。詳細はコルティーナの解説ページへ。
フィンタ|駆け引きの基本
フィンタ(finta)はスペイン語で「フェイント」の意味。ボールを受ける前、または受けた瞬間に重心移動で相手をズラす動きです。1対1だけでなく、パスを受ける動き出しの段階で使うのがフットサル流。狭いコートでは「受ける前の半歩」で勝負が決まります。詳細はフィンタの解説ページへ。
パラレラ|サイドライン沿いの裏抜け
パラレラ(paralela)はポルトガル語で「並行」の意味。サイドラインと並行に縦へ走り抜け、裏のスペースを突く動きです。二人だけでもシュートまで持ち込めるため、最初に覚える攻撃連携として実用度が高い戦術です。詳細はパラレラの解説ページへ。
アラコルタ|サイドでの短いコンビネーション
アラコルタ(ala corta)はスペイン語で「短いアラ」の意味。サイドのアラ同士、あるいはアラとフィクソが短い距離で素早くパス交換し、リズムに変化を付ける動きです。パラレラの縦が消されている時の代替手段として有効です。詳細はアラコルタの解説ページへ。
ジャグナウ|対角への斜めの抜け
ジャグナウ(diagonal、ポルトガル語で「対角」)は、サイドから中央、あるいは中央からファーサイドへ、対角線上を斜めに抜ける動きです。パラレラの縦突破が「縦切り」で消されている時、ディフェンスの逆を取れます。詳細はジャグナウの解説ページへ。
どこから覚えるか|順番の目安
6つすべてを一度に覚えようとすると、試合中に動きを選び切れなくなります。社会人からフットサルを始めた立場で振り返ると、次の順番で身につけるのが現実的でした。
- ケブラ:あらゆる動きの基礎。「直線に走らず、折れる」感覚を最初に染み込ませる
- パラレラ:二人で完結できるので、個サルでも試しやすい
- コルティーナ:止まる動きを覚えると、味方との関係性が見えてくる
- ジャグナウ:パラレラが消された時の代替として理解する
- フィンタ:受ける前の駆け引き。試合経験を積みながら徐々に
- アラコルタ:チームメイトとの息が合ってくる中盤以降に
私(さるっちょ)自身、最初は「パラレラと言われたら全力で縦に走る」だけしか引き出しがありませんでした。そこにケブラを覚えて初めて、「全力で走らない選択肢」が手に入り、結果としてパラレラの精度も上がる、という体験をしています。最初の1〜2個を体に入れる方が、知識として6つ知っているより役に立ちます。
「全部覚えなきゃ」と思うと逆に動けなくなります。さるっちょはケブラとパラレラだけで半年くらい粘ってました。1つ体に入ると、他も理解が早くなります。
サッカー経験者向け補足|「個人戦術=ドリブル」ではない
サッカー経験者がフットサルで最初に戸惑うのが、個人戦術という言葉の指す範囲です。サッカーでは「個人技」と言うと、ドリブル突破やフェイントといった足元の技術を連想しがちです。フットサルの個人戦術は、その範囲だけでなく、ボールを持っていない時の動き方を含む広い概念として使われます。
サッカーで言えば、オフ・ザ・ボールの動き出し、いわゆる「3人目の動き」「ダイアゴナルラン」に近い領域です。違いは、フットサルではこれらに固有の名前が付いていて、試合中に声で確認しながらプレーする点。「パラ!」「ケブラ!」と声が飛び交うのは、狭いコートで意思疎通を素早く取るためのフットサル特有の文化です。
まとめ|まずは名前と目的を覚え、各ページで動きを深掘りする
フットサルの個人戦術は、ドリブルなどの足元の技術だけでなく、ボールを持っていない時の動き方を含む体系です。代表的な6つの動きには名前が付いており、「スペースを作る・使う・局面を変える」の3カテゴリで整理すると、試合中の判断がしやすくなります。
持ち帰ってほしいポイントは次の3つです。
- 個人戦術=オフ・ザ・ボールを含む動きの体系。ドリブルだけではない
- 3カテゴリ(作る・使う・変える)で整理すると判断が早くなる
- まずはケブラとパラレラから。一度に全部覚えようとしない
個別の動きについては、ケブラ、コルティーナ、フィンタ、パラレラ、アラコルタ、ジャグナウの各ページで詳しく解説しています。気になる動きから読み進めてみてください。



